* 胃潰瘍とピロリ菌
ピロリが世の中で知られるようになったのは、
ほとんどの胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因であると
明らかになったことがきっかけです。
以前のこの欄で、
ピロリ菌は慢性萎縮性胃炎のであること、
慢性萎縮性胃炎を持つ方は胃がんになり易いと書きました。
ただ、現在のところ、
慢性胃炎にピロリ菌を除菌したら胃がんができにくくなるかというと、
実はまだ明らかになっていません。
だからこそ、
日本ヘリコバクターピロリ学会は除菌後も
一年ごとの胃カメラ検査を推奨しています。
一方、胃潰瘍や十二指腸潰瘍は除菌によって再発の恐れがぐんと低くなります。
2000年頃までは、
潰瘍は制酸剤を中止するとしょっちゅう再発するからずっと薬を続けたほうが良い
と言われ続けていましたが、
除菌がうまくいって通院を中止しても
再発せずに健康に過ごせている患者さんがたくさんいらっしゃいます。
この点だけでも、当院では積極的に除菌をおすすめしています。